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乳酸菌は赤ちゃんに摂らせても良いのか

乳酸菌は離乳初期から摂ることができる

お腹の調子を整えてくれる乳酸菌は健康維持に欠かせない善玉菌(※1)です。子どもが産まれたらできるだけ早く乳酸菌を摂らせたい、そう考えるお母さんやお父さんも多いでしょう。
乳酸菌は目立った副作用がなく安全性の高さが認められています。子どもから老人まで私たちの腸内に生息している微生物でもあります。

産まれたばかりの赤ちゃんはミルクのみを飲んで育ちます。乳酸菌は離乳初期(生後5~6ヶ月頃)から与えることができます。お勧めは消化に良い無糖のプレーンヨーグルトです。
さらに最近では赤ちゃん用の乳酸菌サプリが市販されています。赤ちゃんにも乳酸菌を摂らせて善玉菌優勢な腸内環境へ整えましょう。

(※1)体に有用な働きをする細菌の総称。

健康な発育には早期に善玉菌優勢な腸内環境へ整える必要がある

赤ちゃんを感染症から守るビフィズス菌

赤ちゃんは抵抗力がとても弱く、感染症に罹ると症状が重くなりやすく発育にも大きく影響します。そこで重要な働きをするのが、免疫力を高めて感染症を予防する乳酸菌やビフィズス菌です。

生まれたばかりの赤ちゃんの腸内ではまず空気に触れることで、大腸菌や腸球菌といった好気性の菌が増え始めます。これらの菌の一部は悪玉菌(※2)として働くため、早期に善玉菌優勢な腸内環境へ整える必要があります。
そこで生後3日目くらいからビフィズス菌が一気に増殖し、生後1週間には全体の約95%を占めるようになります。これは母乳にビフィズス菌を増やすオリゴ糖が含まれているためです。

(※2)体に有害な働きをする細菌の総称。

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離乳期は腸内フローラのバランスが変わりやすい

ビフィズス菌優勢な状態は離乳が始まるまで続きます。ところが食事を摂るようになると、少しずつ日和見菌(※3)が増え始めビフィズス菌の割合は一気に低下していきます。
離乳期に腸内フローラ(※4)のバランスが崩れると、便秘や下痢の原因になります。腸内フローラのバランスが変わりやすい離乳期は、善玉菌優勢な腸内環境を保てるように食事を工夫しましょう。

(※3)善玉菌と悪玉菌のどちらか優勢なほうに味方する細菌の総称。
(※4)腸内細菌の集まりのことで、花畑のように見えることからこう呼ばれている。

関連記事: 加齢による乳酸菌の変化
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オリゴ糖やラクトフェリン入りのミルクで乳児の腸内環境を整える

巷では「母乳育児か、粉ミルク育児か」と論争になることがあります。結論から言えば母乳で育った赤ちゃんのほうが圧倒的に腸内のビフィズス菌の数が多く、悪玉菌の増殖を抑えられることが分かっています。母乳にはビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖が豊富に含まれているからです。

しかし、どうしても母乳が出ないというお母さんも少なくありません。幸いなことに今日では多くの粉ミルクにオリゴ糖が配合されています。

2019年に国内で製造販売が開始されたオリゴ糖入りの液体ミルクも良いでしょう。ラクトフェリン入りの粉ミルクもお勧めです。ラクトフェリンは母乳に含まれるたんぱく質の一つで、免疫力を高めて感染症を予防したり、ビフィズス菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。

関連記事: ラクトフェリンと乳酸菌を一緒に摂るメリット

離乳が始まったら乳酸菌を摂らせよう

無糖のプレーンヨーグルトがお勧め

乳酸菌は離乳初期から与えることができます。とはいえ漬物や固いチーズなどを食べることはできません。お勧めは甘味料もフルーツも入っていない無糖のプレーンヨーグルトです。

ヨーグルトはやわらかくて食べやすく、胃腸に優しく消化に良い食べ物です。赤ちゃんでも安心して与えることができます。ただし赤ちゃんにとって加糖のヨーグルトは糖分が多いので、必ず無糖のプレーンヨーグルトを与えてください。

関連記事: ヨーグルトと乳酸菌の関係

乳酸菌飲料は2~3倍に薄めて与える

乳酸菌飲料も離乳初期から与えることができます。ただしこちらは最初から甘味料が加えられているため、赤ちゃんには甘すぎます。
糖分を摂り過ぎると血糖値が急に上がって体に負担をかけてしまいます。また冷たい飲み物を与えすぎるとお腹を壊してしまうことがあります。ぬるま湯で2~3倍に薄めて与えると良いでしょう。

関連記事: 乳酸菌飲料で腸内環境を改善

赤ちゃん用のサプリメントを活用する

乳酸菌はサプリメントから摂ることもできます。しかし、大人用のサプリメントは成分が濃縮されているため、赤ちゃんには刺激が強くお勧めできません。
最近ではデリケートな赤ちゃんに配慮したサプリメントが少しずつ増えています。赤ちゃん用のサプリメントはヨーグルトや乳酸菌飲料と同じく、離乳初期から与えることができます。

液体タイプのものは離乳食に混ぜて簡単に与えることができます。粉末タイプのものはぬるま湯に溶かして与えましょう。

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