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乳酸菌とカテキン

乳酸菌とカテキンの相乗効果

カテキンとは

カテキンはお茶に含まれるポリフェノールの一種です。お茶に苦味や渋みをもたらすタンニンのことで、エピカテキンやエピガロカテキンなどの種類があります。
一般的には緑茶に多く含まれている成分として知られています。緑茶以外には烏龍茶や紅茶などにも含まれています。
ただしカテキンは時間が経つと酵素によって酸化してしまうのが弱点です。緑茶は製造過程で熱処理を行うことで酸化酵素が抑えられますが、烏龍茶や紅茶はそのまま酸化酵素が働くため、成分が変化して色も赤くなります。

緑茶に含まれるカテキンは、ビタミンEの約50倍という強い抗酸化作用を持つのが特徴です。体内の活性酸素を除去することで、細胞と血管の老化を防ぎ、動脈硬化や心筋梗塞を予防します。
また血中コレステロール値の上昇を抑える働きがあり、生活習慣病の予防にも有効です。さらに優れた殺菌作用を持つことから、腸内で病原性大腸菌O157や赤痢菌やコレラ菌といった食中毒の元になる細菌の増殖を防ぐ働きがあり、感染症を予防する効果が期待されています。

乳酸菌とカテキンは相性が良い

乳酸菌とカテキンはどちらも腸内環境を整えてくれる成分です。乳酸菌は優れた整腸作用によって腸内に生息する善玉菌を活性化して増殖を促し、悪玉菌を抑制します。
一方のカテキンは優れた殺菌作用によって、腸内で病原菌や悪玉菌の増殖を抑制し、感染症や食中毒を予防します。そのため両方を一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。
また乳酸菌とカテキンの共通する効果として、血中コレステロール値の低下、悪玉コレステロールの抑制、体脂肪を減らすことによるダイエット効果などがあります。
このように乳酸菌とカテキンはとても相性の良い組み合わせであり、整腸作用以外にもさまざまな健康効果が期待できます。

カテキンを摂ると腸内の乳酸菌やビフィズス菌が増える

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腸に届いたカテキンは悪玉菌を吸着して退治する働きがあることが分かっています。この点に着目して、カテキンを摂ることで腸内フローラにどのような影響を与えるのか調べる研究が行われました。

介護施設に入所する高齢者15名を対象に、煎茶5~6杯分に相当する茶カテキン100mgを1日3回3週間摂ってもらいました。
試験終了後に腸内フローラを調べたところ、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌が増加して、悪玉菌であるクロストリジウムや大腸菌が減少することが確認されました。
さらに腸内環境にも変化が認められました。pHが下がり善玉菌の活動に適した弱酸性に変わり、悪玉菌が生成するアンモニアなどの腐敗物質の量が減少しました。
これはカテキンによって腸内の善玉菌が活性化されたことで、悪玉菌が抑制されて、腸内環境が改善されたことを意味しています。

カテキンの吸収を促すスマート乳酸菌

生きて腸まで届く乳酸菌

カテキンを摂ることで腸内の善玉菌を増やす効果が期待できますが、特定の乳酸菌にはカテキンの吸収を促す働きが認められています。
その乳酸菌とは漬物から分離されたスマート乳酸菌です。もともと野菜に生息していた植物性乳酸菌で、過酷な環境を生き抜いてきたことから強い生命力を備えています。
酸に強い性質を持ち、胃酸や胆汁酸で死滅することなく生きて腸まで届きます。スマート乳酸菌は優れた整腸作用が期待されているほか、腸の炎症の抑制や、アレルギー症状を改善する働きが期待されています。

カテキンの吸収を促す

スマート乳酸菌はこれまでにない斬新なアプローチによって研究が行われ、独自の効能が発見されています。
その効能とはカテキンの吸収を促す作用です。実はカテキンは他のポリフェノールと比べて吸収されにくい性質があります。
ですからカテキンを豊富に含む緑茶を少し飲んだ程度では、十分な量のカテキンを体内に吸収することができないのです。
効果を実感するためには緑茶をたくさん飲む必要があります。いくら日本人にとって馴染みの深い飲み物とはいえ、毎日続けるのは大変です。
スマート乳酸菌は生きて腸に届くことで、カテキンの吸収を促し、内臓脂肪が軽減されることが分かっています。

【スマート乳酸菌の試験結果】

高脂肪な食事を与えて太らせたマウスにまず1週間通常の食事を与えました。その後、緑茶カテキン0.3%とスマート乳酸菌1%を食事に加えて与えました。
4週間後に内臓脂肪を確認したところ、スマート乳酸菌とカテキンを一緒に与えたマウスは、内臓脂肪が減少することが確認されました。
これはスマート乳酸菌が緑茶カテキンを腸内で吸収しやすい成分に変わることで、吸収効率が上がるためと考えられています。

乳酸菌とカテキンを摂るならサプリメント

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乳酸菌とカテキンの相性の良さから、二つの成分を一緒に摂ることができるサプリメントが人気を呼んでいます。
乳酸菌はヨーグルトやチーズなどの発酵食品、ぬか漬けやキムチなどの漬物類、味噌や醤油から摂ることができます。
一方のカテキンは主に緑茶から摂ることになります。このように乳酸菌を含む食品とカテキンの含む食品は全く異なるため、なかなか同時に摂るのは大変です。
その点、サプリメントは気軽に二つの成分を同時に摂ることができます。味に飽きることもありませんし、糖分や塩分の摂り過ぎを心配する必要もありません。
乳酸菌とカテキンの相乗効果を期待するなら、サプリメントを活用することをおすすめします。

乳酸菌とカテキンを含んだお茶

乳酸発酵させた珍しいお茶

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乳酸菌とカテキンを両方含んだ食品が全くないわけではありません。その食品とは「碁石茶」や「阿波晩茶」といった乳酸発酵させたお茶です。
一般的にはあまり知られていませんが、中国や四国を中心としたごく狭い地域でのみ生産されている日本でも珍しいお茶です。

碁石茶は茶葉を蒸してから床に広げてカビが生えるのを待ち、大きな桶に漬けて重石を載せます。
このときに茶葉を蒸したときに出る蒸し汁を加えますが、この蒸し汁には苦味の元であるタンニン酸を多く含むことから、碁石のような黒っぽい色になります。
桶で数週間漬け込んで二回発酵させたら、茶葉を3cmほどの大きさに切り、天日干しします。碁石茶という名前は天日干しするために並べたときの見た目が、碁石のようであることに由来しています。
阿波晩茶も同様にして乳酸発酵させて作りますが、碁石茶のようなカビ付けの工程がないのが特徴です。

乳酸発酵させるお茶が飲まれる理由

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もともと日本にはお茶の文化がなく、平安時代初期に中国から持ち込まれました。そのお茶は保存を良くするために発酵させていて、中国のプーアル茶をさらに濃縮したような味わいだったと言われています。
実際に当時の日本では茶葉にカビを付着させて長期間発酵させたお茶が飲まれていました。ところが日本人の口には酸味と苦味が強くクセのある味が合わなかったらしく、やがて廃れていきます。
今日の日本で主流となっているのは全く発酵させない緑茶です。ですが瀬戸内地域など日本の限られた地域では別でした。この地域では井戸水に塩が含まれているため、酸味の強いお茶が好まれたのです。

碁石茶にはカテキンが豊富に含まれている

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そうして伝統的に作られてきたのが高知県大豊町の碁石茶や徳島県の阿波晩茶です。どちらも植物性乳酸菌がたっぷり含まれています。
碁石茶の味わいはさわやかな酸味とややクセのある苦味が特徴で、カテキンが豊富に含まれています。一方の阿波晩茶は苦味が少ないためカテキンはあまり含まれていません。
碁石茶も阿波晩茶も一時は生産農家が減少し途絶えかけましたが、近年の町おこしなどの活動が実って少しずつ生産量が回復しています。
希少なお茶ですが、今は現地に行かなくてもインターネット通販でお取り寄せができます。興味のある方は試してみてください。

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